ソフトテニスで試合に勝つための戦術4選【基本編】

こんにちは。テンです。
いきなりですが、ソフトテニスは技術や身体能力ががそのまま勝利に反映されるスポーツだと思いますか?
答えはNOです。ソフトテニスはどちらかというと番狂わせ(シードが順当に勝てない)ことが多いスポーツです。
この番狂わせが起こる重要な要素の一つが今回説明していく「戦術・戦略」となります。この「戦術・戦略」は練習と同様に大切なことです。
今回はその「戦略・戦術」についてみていきたいと思います。
・戦略と戦術の重要性が理解できます。
・記事の内容を理解して実行すれば、今まで勝てなかった相手に勝てる可能性がグッと上がります。
1 ソフトテニスの戦略・戦術とは?
2 ソフトテニスの戦略の基本
3 「相手より先にミスをしない」戦略の意図
4 ソフトテニスの基本戦術① 相手後衛のミスが多い場合
5 ソフトテニスの基本戦術② 相手のバックハンドが弱い場合
6 ソフトテニスの基本戦術③ 相手後衛のフットワークが悪い場合
7 ソフトテニスの基本戦術④ 相手前衛の技術が未熟な場合
8 ソフトテニスにおける戦術の選択方法
9 ソフトテニスの戦術の修得方法
10 ソフトテニスの戦略・戦術まとめ
1 ソフトテニスの戦略・戦術とは?

元々「戦略・戦術」は軍事用語でしたが、現代では「戦略」が将来を見通した方策や、目標を達成するためのシナリオ。「戦術」が目標を達成するための具体的な手段、実践的な計画といった意味で使われています。
これをソフトテニスの試合に当てみましょう。
(例1)
目標:試合での勝利
戦略:乱打をしていてバックが苦手そうだったのでバックのミスを誘う
戦術:セカンドレシーブはミドルを狙う、ラリー中にチャンスがあればストレートロブを打つ(右利きの場合)。
(例2)
目標:試合での勝利
戦略:前の試合で前衛のボレーミスが多かったので前衛を集中的に狙う
戦術:前衛サーブは前衛にぶつけるのでフォローの準備をしていく。ラリー中はスキを見て前衛アタックをする。
このように戦術を決めていきます。戦略は1つだとしてもその方法や場面は多種多様なので戦術は複数用意できますね。
2 ソフトテニスの戦略の基本
ソフトテニスの戦略・戦術を考えていく上での基本中の基本は「相手より先にミスをしない」です。
統計学者のレイモー氏のテニスに関する調査では、プロとアマチュアの試合の進み方について統計学に基づきこのような結論を出しています。
・プロは勝者が相手からポイントを勝ち取ったからこそ勝者となる。
・アマチュアは敗者がポイントを自分のミスで失ったから敗者となる。
皆さんがYouTubeでよく見ているような試合は「プロ」に近い試合をするレベルの選手の動画です。この選手達は、ラリーをするだけだなら半永久的に続けることができるため、自分たちでポイントを取りに行く必要があるのです。
一方で地区大会で勝てない、県大会ですぐ負けてしまうアマチュア選手は自滅で試合が進んでいます。そのため、まずはアマチュアレベルで勝ているように相手より先に自滅しない試合をすることが必要です。
この違いをしっかり受け入れることが上達の近道です。
参考:lifehacker「敗者のゲーム」 HP
3 「相手より先にミスをしない」戦略の意図

ソフトテニスで一番大切なことは「相手より先にミスをしない」です。これはただ、コートにボールを入れていればいいということではありません。ミスだけを考えてコートに入れるだけのチャンスボールを打っていたら相手に強打されてしまい結局相手のポイントになります。
そのため「相手より先にミスをしない」の意味の中には「自分のミスのリスクが低く、相手を嫌なボールを打つ」「相手になるべく攻められないようなボールを打つ」ことが含まれています。そうすることにより、相手に強打されることがなく、逆に相手のミスを誘うことができるのです。
次の章ではおすすめの戦術を解説していきます。
②相手になるべく攻められないようなボールを打つ
4 ソフトテニスの基本戦術① 相手後衛のミスが多い場合
相手後衛が2~3本打ってミスをする場合は、相手はアマチュアの負け方をする典型的な選手です。そのような選手には以下の戦術が有効です。
①高い軌道のシュートやロブで深いボールを打つ。(前衛・後衛)
相手が攻めずらくて、自分が守りやすいくミスが少なくなります。
②ボールのテンポやコースを少し変えて打つ。(後衛)
同じクロスラリーでも2、3歩動かないと返せないボールやシュートにロブを打つ等して相手に一定のリズムで打たせないようにします。ミスが多い選手はリズムが作れないとミスが増えます。
③自分の守備範囲をしっかり守る。(前衛)
打っていれば相手が勝手にミスしてくれるので無理に動く必要はありません。自分のところに来たボールやチャンスボールに狙いを定めて確実にボレーします。
5 ソフトテニスの基本戦術② 相手のバックハンドが弱い場合

バックハンドのおすすめの狙い時は次の3点です。
①サーブ(前衛・後衛)
バックハンドを狙うサービスは多くの場面で使います。得意なコースにしておきましょう。また、右利き前衛がバック側のレシーブを回り込むとミドルが空きます。このパターンになった場合はミドルを狙いましょう。
②セカンドレシーブ(前衛・後衛)
効果的なのは後衛レシーブでの前衛の頭を超すストレートロブとミドル。前衛レシーブの場合は逆クロスへの深いレシーブと角度がきつい短めのレシーブ。
また前半にバックを集中的に狙っていくと意識がバック側に集中するので後半にフォア側にレシーブを打つと相手を混乱させることができます。
③短いボール(後衛)
相手のボールが短くコートの中で打てる時は相手のバックを狙っていきましょう。この時に打つボールは速いボールではなく深いシュートボールです。バック側の深いボールは上級者でも打ちくいショットの一つです。
④バックハンドで打たれたボールを狙う(前衛)
バックハンドが苦手な選手の多くは引っ張り方向にボールが集まりがちのため、前衛は引っ張り方向に飛んだバックハンドのボレーを狙う戦術は有効です。
6 ソフトテニスの基本戦術③ 相手後衛のフットワークが悪い場合
相手のフットワークが悪い場合は自分がミスをしない程度に積極的に相手を動かしていく作戦です。
①セカンドレシーブ(前衛・後衛)
効果的なのは前衛の頭を超すストレートロブとミドル、ショートクロスです。
基本は比較的リスクの低いストレートロブ、ミドルを使っていきましょう。
ショートクロスはミスしてしまった時に相手に流れを持っていかれる可能性があるので勝っている時に使いましょう。間違っても負けている時にはやらないように注意してください。
②前衛の頭を超す(中)ロブ(後衛)
できるだけ相手を動かしたいので場合は前衛を越えるロブが有効です。ただしロブばかり打っていると相手前衛に読まれてしまうので、多用したり、無理な態勢で打つのは禁物です。
③短いボール⇒長いボール(後衛)
ストロークを打っていると長いボールを意識していてもボールが短くなることがあります。その時は、短くなってしまったことを生かして次のボールを深く打ち相手を前後に揺さぶりましょう。深く打つボールはロブでも有効です。
ただし、皆さんは短いボールを意図的に打てるレベルに達していないと思うのでボールがたまたま短くなってしまった時に狙ってみてください。
7 ソフトテニスの基本戦術④ 相手前衛の技術が未熟な場合

中学校でも高校でも地区大会のレベルだと前衛が育っていないことが多いので、試合の前半で前衛にボールを集めてみるのも一つの戦略です。おすすめは4パターンです。
①前衛がサービス時を狙う(前衛・後衛)
(1)サービスダッシュ(ファースト)の時⇒相手のサーブの威力が低い場合は前衛を狙ってよい。サーブのコースや威力があるときは無理をせずに後衛に返す。
(2)サービスダッシュ(セカンド)の時⇒相手に積極的にぶつけていきましょう。効果的なのは体の真正面、バック側、足元です。足元は難しいのでまずは前衛にぶつけに行く作戦で行くべきです。
(3)サービスダッシュしない場合⇒基本は前衛とストローク勝負をしたほうがいいです。前衛とのストローク戦はこちらに分があります。
②ボールが短く浮いた時・セカンドレシーブ(前衛アタック)(前衛・後衛)
チャンスボールは積極的に前衛を狙いましょう。この時に注意してほしいのが、前衛の真正面に打たないことです。真正面は技術がなくても反応がで取れます。前衛に打つというよりかはダブルスコートの二本線の中に打つ。というイメージで打つ方が正面からずれるので前衛は取りにくいです。
③ボールが短く浮いた時・セカンドレシーブ(前衛アタック)(前衛・後衛)
②と同じようにミドルも効果的です。前衛が未熟だとポジションが外寄りになるためミドルが通ります。ミドルに打つと陣形を崩し、後衛のミスを誘うことができます。上手に前衛アタックと一緒に混ぜていくと効果的です。
8 ソフトテニスにおける戦術の選択方法
実際に大会などで知らない相手に対してどのように戦略、戦術を立てていくかということについて考えていきます。
プレーのレベルは普段の練習で把握しておいてください。
大会当日は、相手がどのようなプレーが苦手なのかを知る必要があります。
相手のプレーを確認できるの場面
・乱打でわざと短いボールやバックに打ってみて相手の様子を見る。
・自分達と対戦する前に試合をやっているようであれば様子を見る。
確認できたら、得意なプレーはさせないで苦手なプレーをさせるような戦術をペアで決めてください。
9 ソフトテニスの戦術の修得方法
最後にソフトテニスでの戦術修得方法ですが特別な方法はなく「実践経験」と「試合を想定した練習」の2つが必要になります。
試合の中で実際に戦略を立てて戦い成功と失敗を繰り返すことで戦略の質と実行する技術に磨きをかけていくことが「実戦経験」の目的です。
「試合を想定した練習」をすることで試合で練習の成果が発揮されやすくなります。レシーブ練習はただクロスに返すのではなく、バック側やショートクロスに有効打を打つ。乱打で相手が攻めにくいように深いボールを打つ。このように「試合のどの戦術でどの場面か」を想定しながら行うことが重要です。
試合の経験を積むことは大切ですが、試合をしている時間より、練習をしている時間のほうが多いはずです。どの程度試合の意識を持って練習に取り組めるかが試合での勝利のカギになります。
参考:練習には2種類ある!?「試合を想定した練習」「技術習得の練習」の使い分けとは≪ソフトテニス≫
10 ソフトテニスの戦略・戦術まとめ

・地区大会レベルで相手の弱点となることが多いのは
①相手の凡ミスが多い。
②バックハンドストローク
③フットワーク
④ペアの実力差がある(特に前衛が未熟な場合が多い)
戦略や戦術はペアの得意・不得意や相手のレベルによっても変化します。まずは上の内容を参考にして試合を組み立ててみるのがいいと思いますが、ある程度できるようになったらペアの戦略を見つけていきましょう!
考えられた戦略・戦術は実力をひっくり返す力があります。体や技術と一緒に頭も鍛えていきましょう!
▼関連記事
・あまり知られてない!?○本目までを制するペアが試合を制する!?<ソフトテニス>
・ダブルスを生かした作戦!二人でポイントを取りに行く作戦を5つ挙げてみた≪ソフトテニス≫